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わが家のほのぼのエピソード

​36 予期せぬ出来事 2

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1匹の、とっても小さな捨てネコちゃんと出会ったあくる日、私達親子はさっそく近所の動物病院へ子ネコちゃんを診察に連れていきました。

先生に診ていただいたところ、前日はバタバタしてネコちゃんをゆっくり観察できず気づかなかったのですが、なんと足4本の肉球の皮がベロっと剥がれてしまっていました。

また、耳の中や体全体には泥が入り込んで真っ黒になっていて、ひどく不衛生な状態でした。

そして案の定・・・ノミの死骸がたっぷりと出てきました・・・


様々な診察の結果、体が不衛生な部分については病院でノミ駆除の薬を投与した後、自宅に戻ってからノミ取り用のシャンプーでよく洗ってあげれば問題ないとのことでした。

そして他のことに関してですが・・・


先生がネコちゃんを見た限りでは、この子はおそらく飼いネコではなく野良猫の子どもで、何かの拍子に親とはぐれてしまい、それからずっと1匹でさまよい歩いていた可能性が強いとのことでした。

外をよほど長く歩き回っていないと、この様に肉球が剥がれ落ちることはないと。

さらに出生元が野良猫の親であった場合、飼い猫とは違った様々な病気を持っている可能性が強く、しっかり検査と予防接種をしてからでないと飼い猫に移ってしまい命取りになってしまうことがあるので、しばらくは完全な別部屋で絶対に接触をさせないことが鉄則だとの指示をいただきました。


現在、子ネコちゃんは推定生後1か月ほどなので、詳しい検査も予防接種も小さな体には負担が大きいという理由から、向こう1か月は別部屋で様子を見ながら飼っていくことになりました。

とりあえず、健康面においては今後慎重な観察が必要なものの、この子が飼い主さんに捨てられたネコではない可能性が強いと聞いて、私はひと安心しました。


さて、それから家に戻って子ネコちゃんをきれいに洗ってあげると・・・

なんとまぁ!とってもかわいらしい色をした、素敵なネコちゃんではありませんかぁ (≧▽≦) 柄や色の雰囲気からすると、たぶん三毛猫ちゃんの子どもではないかと思われます。

(この写真は、体が少し大きくなってからのものです)

「さぁ、体をきれいにした後は、この子が住む部屋を作ってあげなくては・・・」と、家の中のあちこちを候補として考えたのですが、実はどのお部屋も先住猫である、しおととろろがよく動き回るところばかり。

ネコちゃんはもともと環境の変化にとても敏感で、なおかつ今までいなかったネコがいきなり自分たちのテリトリーの中に入ってくることをえらく嫌うそうです。

この先3匹を一緒に住ませることを考えるのなら、ゆっくりとお互いにストレスがかからないよう慣らしていくことが最も大切で、今はしおととろろの目に入る場所には絶対に子ネコを置かない方がいいでしょう、ということを先生もおっしゃっていました。


そんな訳で、とってもかわいそうではあるのですが、子ネコちゃんのケージはしばらくわが家の玄関フロアに置くことに・・・

一応、畳2畳ほどの広さはあるので、ここで何とかやっていくしかないかぁ。


さて、そんな感じで朝からバタバタとネコのお世話をしていると、前日一緒にネコを保護した友人から連絡が入りました。

何やら昨日配信した里親募集のメールを見て、さっそくネコを引き取りたいと言ってくださった方がいらっしゃると。

私はそれを聞きとても嬉しい気持ちになりましたが、その反面、こうしてわが家に連れて帰ってきた子を里親に出すべきか、それともこのままうちで育てるのがいいのかと何だか複雑な気持ちになってしまいました。

また里親を希望してくださったお家の方に対しても、もし引き取っていただくなら、きちんと健康状態が良好であることを確認してからの方が安心かと思い、次回の健康診断までは返答を待っていただくようにお願いしました。


その日の夜、わが家の子ども達に「引き取る人が見つかりそうだよ」という話をしました。

すると、最初は「そっか~、良かったね~!」と嬉しそうに話していた子ども達でしたが、しばらくすると私の所に来て、口を揃えて「うちで飼ってあげることはできないかなぁ」と言い出しました。


・・・実はその時、私も子ども達と同じことを考えていたんですよね~ (^_^;)

この子ネコちゃんとはまだ出会ってから2日しか経っていないのですが、私達家族の中ではすでに、この子に対し特別な愛着がわいてしまっていることをみんなひしひしと感じていたのでした。

しかしまだ子ネコを連れてきてから間もないし、この先しおととろろとこの子が相性良く暮らせるか等も総合的に見ながら事を進めていかなければならないので、今は焦って考えずにネコ達の成長を見守っていこう。ということで話は一旦終息しました。


その後1週間、2週間と、子ネコを引き取ってからどんどん日にちが経っていきました。

子ネコは拾ってきたあの日とはくらべものにならないほど元気になり、玄関フロアにあるケージの中で毎日所狭しと動いていました(苦笑)

今はまだしおやとろろと接触させてあげることができないため、双方を別々にお世話することに関してはなかなか気を使うところではありましたが、子ども達が積極的にネコ達のお世話を手伝ってくれたので本当に助かりました。


と、そんなある日のこと。私達は子ネコのちょっとした異変に気づいたのです。

すでに家の中で飼っているしおととろろは、日中部屋の中で自分の好きなように動き回ることができますが、子ネコはまだケージの中でしか動き回ることができていません。

育ちざかりの成長期にずっとケージの中だけではかわいそうなので、時間があるときには玄関のフロアに少しだけ出してあげ、自由に遊ばせていたのですが・・・


ここ数日、子ネコをフロアに出すと、なぜか狂ったようにうなりながら激しく走り回り、私達の方に来てはすごい勢いで噛みつくのです。

狭い囲いの中にずっと閉じ込められていることでストレスを感じてしまったのでしょうか。どうやらこの子にはひどいかみ癖がついてしまったようで、その後躾をコツコツしても、その狂暴化とかみ癖が治ることはありませんでした。


様々なことに手こずりながらもやっと1か月が経ち、子ネコの再診察の日がやってきました。

実はこの日、私は先生にまた1つご相談をするつもりで病院へと向かいました。とりあえずは、診察をすべて終えてから話を切り出そうと思い診察室へと入ると・・・

案の定、子ネコは先生にまで狂暴なかみ癖を発揮しています。先生が何度ストップを呼びかけても、子ネコは一切言うことを聞かず・・・

そんな子ネコを見た先生が、しばらく口をつぐんだ後こんな風に言い出しました。


 

う~ん、大村さん。これはちょっとリスクの高い話だから、実行すべきか難しいとこなんだけど・・・子ネコちゃん、今日からしお君・とろろちゃんと一緒に住ませてみましょうか。

 

と。

・・・おお~! 先生なんてことを~! ( ゚Д゚)

いったい何を驚いたかって、先生のこのご発言、実は私がその日ご相談させていただこうと思っていた内容そのものだったのです!

私はすかさず先生にお話を切り出しました。


 

この子の健康状態がまだ確認できていない段階で3匹のネコを一緒にしてしまうと、様々な病気が移ってしまうリスクは大いにあります。

しかしそれよりも、この子にとって今一番大事なのは、同じネコ同士で共に過ごしながら仲間がいる幸せや楽しさを存分に味わうこと。そして様々なルールを直接仲間達から教えてもらうことではないかとずっと感じていたんです。

 

​すると、先生も私の話を聞いて


 

ぼくも今、大村さんとまったく同じことを言おうとしてました。ネコは、生後数か月の間に覚えてしまった習慣を大人になってからじゃ簡単に直すことができません。

ですから幼い頃から仲間と接していくことで、「ここまで強く噛んだら痛いんだよ」という事を実践を通して教えていく必要があります。

人間がいくら必死になって教えようと思っても、残念ながら限界ってあるんです。やはりネコはネコ同士の中で、やっていい事といけない事をきちんと理解し学ぶことが大切だと思います。

しお君ととろろちゃんが、この子をどういう風に受け入れるかはやってみないと分かりませんが、あの2匹ならきっと、いいお兄ちゃんとお姉ちゃんになってくれるような気がしますよ。

 

と言ってくださったのです。


・・・実は私、ずいぶんと前からこの日のために、しおととろろに子ネコの姿を遠くからちょくちょく見せたりして色々準備をしてたんです(笑)

大体のネコちゃんは、初めて見るネコちゃんに対しては警戒心が強く攻撃的になることが多いと聞きますが、しおととろろの場合自分達もまだ子ネコで警戒心が薄いせいなのか、むしろ子ネコちゃんのことが気になってしょうがないような様子で、子ネコの鳴き声が聞こえるといつも玄関前の扉まで寄って来て一緒に遊びたそうにしていました。

だからこの2匹ならきっと、子ネコちゃんのことを温かく受け入れながら、ネコ同士の中で学ばなければならない大切なルールをしっかりと教えていってくれるのでは、と感じていたのです。


そんなわけで病院の先生からもご了承をいただけたことですし、自宅に帰ってからさっそく子ネコちゃんと2匹のネコをご対面させることにしたのでした (*^^*)

(平成26年5月頃の出来事より)

パート3に続く

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