
魂のお話 ~私の運命を変えた一人の少年~
6 考えごと

過去世鑑定でパトリックとの繋がりが明らかになってから、随分日にちが経ちました。
相変わらず彼の歌声を、毎日CDで聴いています。面白いもので、彼の歌声に深く聴き入っていると、自分の意識とは関係なく涙が出てくることがあります。
私の魂の「記憶」が、遠い昔の、彼のことを思い出しているのでしょうか・・・
私からしてみると今や彼の存在と歌声は、今生で一緒に生きている私の我が子達と同じくらいになくてはならない大切なものになっています。
パトリックの歌声を聴いていると、流れてくるメロディを通してまるで彼と毎日会話を交わしているような、そんな不思議な感覚になるのです。
彼とは、生身の人間としての交流は一切ないのですが、私は彼の歌声を聴いているだけで、あの子が私のすぐそばにいるような、そんな心地の良い気持ちにさえなってしまうのです。
本当に不思議な感覚です。
・・・あれからず~っと、色々考えていました。
人の「転生」とは何なのか・・・
私が日本という地に生まれたこと、そして今、共に人生を歩んでいる家族や、周囲の人達との繋がりはきっと、私が今生に生まれ出るときに自らがその道を決めてきたのであろう、と思っています。
今回の人生で、私が現在の家族と共に生きることを決めたのには、私自身の魂が選択した課題や理由がちゃんとあるのだと思います。ですから今生で今、自分に与えられている人生や人間関係を大切にして生きていくのは当然のことです。
それも深い魂の繋がりであるのだから・・・
人は幾度も転生を繰り返している。と言われていますから、私達1人1人にいくつもの過去世が存在しているのですよね。
人が転生をする時、大体は過去世で繋がりのあった人間が、今生においても何かしらの繋がりを持って生まれてくることがよくあるそうです。例えば前世では兄弟だった2人の関係が、今生では親友同士という関係で繋がっていたり・・・
ただ、ひとつ前の過去世やもっともっと前の過去世など、自分自身のすべての過去世において、今一緒にいる家族達とずっと同じ過去世を共にしてきたわけではないのですよね。
私達の魂は何百年・何千年と転生を繰り返すわけですから、その過去世の中には、今の家族達との繋がりを持たなかった時代もおそらくあるのだと思います。
今生で今、共に生きている家族や周囲の人達との関係が今回きりの関係でしかないことを考えると、1日1日をみんなと一緒に、本当に大切に生きていきたいなぁ。と感じ ます。
例えば今お話したような、自分の身近にいる人達と魂の繋がりがあるという事実は、私の中でもある程度の理解はできているのです。
しかしなぜか今回、今生においてはまったくの関係を持たない「パトリック」と、魂の繋がりがあることを知ってしまった私。
今生において彼の存在を知らなければならない、何か理由でもあるのでしょうか?
確かに私は彼の存在を知ることができたおかげで、そこから様々な気づきをいただいたり、自分自身が向上するためのきっかけに繋がってはいるのですが・・・
魂の繋がりがあることを知っただけで、彼とは今生では1度も会えずにこの人生を終えてしまうのでしょうか。
彼という存在を知ることができたのに、会うことは叶わない。というのは、なんだか少し寂しい気がします。
でもきっと、今生で私が今の家族と共に生きることを選んだように、 彼もまたイギリスにいる今の家族と、共に歩む人生を選んで生まれてきたのですよね。
彼には彼の歩むべき人生があって・・・
現在彼は、美しいソプラノを奏でる少年聖歌隊として歌を歌っていますが、近い将来声変わりをしてソプラノ歌手の一員から卒業することになるでしょう。
ある過去世では、14歳という若さで亡くなってしまったパトリック。そして現在、この人生の中で14歳の誕生日を迎えようとしているパトリック。
彼は「14歳」という年で声変わりをすることで、魂のレベルにおいてひとつの転機をむかえ、過去世では歩めなかった14歳からの新たな人生を今生で再び歩もうとしているのでしょうか。
最先端な時代をいく今の世の中で、古き伝統を重んじた少年聖歌隊の一員になることを自ら選んだパトリック。ひょっとすると彼自身の心の中にも、教会で歌を歌っていたあの頃の記憶が残っていたのかもしれないですね。
魂とは本当に奥が深く、未知なる世界だなぁ。と改めて感じました。
(平成19年3月4日の出 来事より)