
あなたの個性はママの宝物
19 三男くんの強い感受性 2

さて、パート1ではこれまでに起きた三男君の珍現象をいくつかご紹介させていただきましたが (笑)、これらの様々な体験から私がたどり着いた答え。
彼にこのようなパニック現象が幾度も起きてしまうのは、おそらく三男君が「周囲にいる人達の不安な気持ちや緊張した空気を敏感に察知し、自分も同じように体感してしまっている」、そして「目に見えない何かの存在を、自分の肌で繊細に感じ取っている」ことが原因ではないかということです。
だけど、この話をしただけでは「どうしてそういう方向性になってしまうの?」 と疑問を持たれる方も多いかもしれませんよね。では、そこをもう少し詳しくご説明させていただきますと・・・
実は三男君のこの体質、私から受け継いだ「遺伝」ではないかと思われます。汗
(私の体質については、同HP「プロフィール」のコーナーや「私のスピリチュアル体験」コーナーなどに詳しく載っています。ご興味のある方は一度ご覧になってみてくださいね )
思えば、三男君がいつもパニックになり泣き出したとき、周囲の人達がどんなに理由を聞いても「こわい!」という言葉しか使わなかったのは、彼がまだ幼いことによって、「自分自身が感じ取っているものの正体を理解できていない、あるいはそれが何なのかを表現する方法が分からなかった」からではないかと思うのです。
その根拠として、私自身も実は、子どもの頃に三男君と同じような経験をしたことが何度もあるからです。例をあげると・・・
私が小学生の頃のことです。
朝体調も良く、とてもいい気分で学校に登校したはずなのに、教室に入った途端なぜか急に気分が悪くなってイライラしはじめ、理由も分からないままその場にいるのがとても苦痛になり、逃げるように保健室へと足を運んだことがありました。
ところが、保健室にいると不思議と先ほどまでの辛い現象は起きず、訳も分からずイライラしていた自分の気持ちもなぜか落ち着き、教室に入る前の穏やかな状態に戻ったのです。
きっと私はその時、教室の中にたまたまいたネガティブな感情を放つクラスメイトの思念をダイレクトに感じ取ってしまい、その感覚に耐え切れずに気分が悪くなってしまったのではないか、と思います。
私は当時、学校に行くと必ず何か嫌なことが起こるのではないかという恐怖心があり、そのためか登校中に毎日腹痛や吐き気をおこすよう になっていき、あまりの激痛に学校までたどり着けず、通学途中にあった呉服店の方に助けを求め、トイレを借りるという日々をずっと続けていました (笑)
また私は、昔から周囲にいる人たちの感情をそのまま自身の感覚のように感じ取ってしまう体質があり、急に泣き出したかと思うと今度はいきなり大笑いしたりと、本人に自覚はないのにコロコロと性格が変わってしまう一面があったようで、お友達からは 「あっこちゃんって、なんだかすごく変わってるよね。人格がたくさんあるみたい」と言われることがありました。
みんなにしょっちゅうその様に言われ、そんな自分は、「もしかすると人格が分裂した精神異常者じゃないのか」と思い悩んだ時期があったほどです。
そして先ほどお話した三男君と同様、ある特定の部屋に入った途端その部屋のただならぬ空気を感じとってしまい、いてもたってもいられずその場から急いで離れるということもよくありました。
上記のお話はほんの一例にすぎませんが、現実世界では一般的に理解してもらえないような、奇妙な体験を私は何度も繰り返してきました。
数々起こるその不思議な現象が、はたして私の精神状態が不安定なことによって起こっているのか、それとも他に何か違う理由があるのか。
当時の私はその根本的な原因が何なのかがまったく分からないまま、それこそ30代後半になるつい最近まで、「本当の自分」という個の存在を確立できずに長年苦しんできたのです。
しかし、ありがたいことに数年前、そういった分野の知識や経験を持つ方達からとても貴重なアドバイスをいただく機会があり、自分が「エンパス(共感能力者)」と呼ばれる独特な体質を持つ人間であることを知りました。
そしてこれは、様々な病気や精神的疾患などが原因 で起こるものではなく、我々人類が持つ1つの素晴らしい能力だということを教えていただけたことで、今まで否定ばかりしてきた私自身の個性を素直に受け入れられるようになりました。
またその後は、周囲の人が放つ様々な感情などの影響を受けないよう、自分自身をしっかりとコントロールする方法を学んだおかげで、日々の生活が安定し心がとっても楽になりました。
現在ではこの様な本も出版されるようになりました。敏感体質でお悩みの方がいらしたら、ぜひ参考にしてみてくださいね
エンパシー 共感力のスイッチをオン/オフしよう / ローズ・ローズトゥリー (著)
さてここで話を本題に戻しますが、私と同じ体質を持つと思われる三男君は現在、まだたった10歳。 仮に、私がこれらの内容を彼に細かく説明したとしても、幼い彼がこの話を理解できるようになるにはもう少し時間が必要な気がします。
ここで私が1つ心配しているのは、この敏感な体質を持つことによって、彼自身が今後自分の人生を困難に感じる場面が多々出てきてしまうのではないかということです。
私は三男君が、自分の持つ個性によって悩み・苦しんでしまうのではなくて、それをできるだけ良い方向で発揮できるようにしてあげたいのです。
現実問題として、三男君の体質が招く様々な影響は、ここ数年の間日常生活のあらゆる場面に現れてきています。その中でも大きく記憶に残っているのが、彼が小学校1年生の時の出来事です。
新年が明けた1月、3学期が始まって数日経つと、なぜか三男君が学校への登校を強く渋るようになり、その後1か月ほど学校にまったく通えなくなってしまったのです。
当初は私自身も、彼が不登校になってしまった原因は日常の現実的な部分にあるのではと解釈しているところがありました。「もしかしてお友達とうまくいってないのかな」「勉強についていけないのが辛いのかな」という感じで・・・
そこで三男君に理由を詳しく聞いてみると・・・
やはり彼の口から返ってくる言葉は、「教室に入るのがこわい」というひと言のみ。
そして学校を休んでいる間ずっと、「ぼくも学校に行きたいのに、教室に入ると思うと自分でも分からないけど、心臓がすごくドキドキして怖くなるんだ」と、毎日泣きながらその辛さを訴えるのです。
そんな三男君の姿を見ているうち、私は(この子はもしかすると私の体質と一緒で、感覚が敏感すぎることで苦しんでいるのではないか)と感じるようになりました。
しかし、この様な非現実的な出来事を学校の先生方に話したところで、すんなりと信じていただけるかは分かりません。
そんな不安からしばらく行動するのをためらっていたのですが、毎日辛そうにしている彼のためには早いうちに何とかしなければと思い、「現実離れした話だ」とバカにされるのを覚悟の上で、思い切って学校の先生に一度打ち明けてみることにしました。
すると私の心配をよそに、担任の先生はこの件について否定的な捉え方をすることも一切なく、とても親身になって話を聞いてくださいました。さらに、彼の個性を理解したうえで「とも君がまた元気な姿で学校に通えるよう、様子を慎重に見守っていきましょう」と、あらゆる手助けをしてくださったのです。
周囲の方達のこのような温かいご理解が、他の人とチョッピリ違う独特な個性を持つ私達のような親子にとって、どれほどありがたいものであるのかをこの時に改めて実感したのでした。
その後三男君は、先生方の温かいサポートもあって保健室登校までは何とかできるようになったものの、肝心な教室へはやはり怖くて入ることができませんでした。そこで先生方と「問題なく通えるようになるには、もう少し時間が必要かもしれないですねぇ」と話していた矢先・・・
これがとても不思議なことに、不登校を始めてから約1か月後の2月初旬、今までの出来事がまるでなかったかのように三男君はすんなり教室へと入っていけるようになってしまったのです。
教室に無事戻ってからというもの、今まで学校を長期欠席していたことが嘘だったかのように毎日元気に学校へ通うようになりました。このことには正直私も先生もとても驚きましたが、先生と、「この時期もしかすると、ともくんにしか分からない何かが教室の中にいるのかもしれませんね 」と笑って話したのでした。
そうやって波乱万丈な1年生の3学期を過ごし、その年の4月三男君は無事2年生へと進級しましたが、面白いことにその学年の3学期にもまた、彼は同じ理由で1カ月ほど学校に行けなくなってしまったのでした。
しかし2年生の時の先生には、前年に起こった出来事を詳しくご説明させていただいてあったので、それをご承知の上で然るべき対応をとってくださり、三男君はある一定の時期が過ぎると、またちゃんと学校へ行けるようになったのでした。
2年間も同じような状況が続き、またいつこういった問題が勃発するか分からないので、私自身も非常時には落ち着いて対応できるよう心の準備をしていましたが、幸い三男君の心の成長もあってか、3年生と4年生の三学期には何も起こらず、現在は毎日元気に学校へ通っています。
もしかすると彼は、私の体質ともまたちょっぴりタイプが違って、幼いながらも自分の持つ個性を上手く自分の中で吸収していて、自身の力で対応できる強さを少しずつ身につけていってるのかもしれないですね。
(私はこの体質に慣れるまでに30数年もかかりましたが・・・苦笑)
あの時、私達親子のことをただの変わり者だと思わず、真剣に向き合い受け止めてくださった先生方には、本当に心から感謝の気持ちでいっぱいです。
それからこれは少々余談になりますが、三男君は数年前から毎年夏になると、雷が異常なまでに怖くて一歩も外に出られなくなることがあります。
実際に雷が来た日は、安全な家の中にいたとしても、音と光が完全におさまるまではひどいパニックで、たくさんの毛布をかぶり小さく丸まって雷がやむまで絶対に出てこないほどです。
また、その日がとてもいいお天気の日でさえも、朝から天気予報を丹念に確認し「今日は雷が確実に来ない」と安心できないと学校に行けなくなってしまうことがよくあります。
面白いもので、私自身もちょうど今の三男君と同じ小学生の年頃に、三男君とまったく同じ経験をしています。
しかし、私が子どもだった時代には、「雷が怖いから」などという理由で親が学校を休ませてくれるようなことはありませんでしたから、当然何を言っても聞く耳すらもってもらえず、「怖い!怖い!」と泣き叫びながら姉妹にしがみついて学校に行ったことを思い出します (笑)
実を言うとね、私の雷恐怖症は今もさほど変わってはいないんです。いまだに雷がひどい日には、徒歩1分で行ける近所のスーパーにわざわざ車で出かけるほどですからね (笑)
ただ現在は私も大人になりましたし、雷に対する正しい知識を持ちその防衛さえしっかりとしていれば、無駄に怖がる必要はないということを理解できているので、子ども時代のような大騒ぎをすることはなくなりましたけどね (笑)
かわいそうなことに、今の三男君はその恐怖の真っ只中です。周囲の人達からは「それくらいで大騒ぎするなんて」と笑われてしまうこともよくあるのですが、私には三男君の辛さが痛いほどよく理解できます。
以前、三男君の雷に対する怖がり方があまりにもすごいので、何か解決策はないかとインターネットで調べてみたことがありました。すると、ネットの中から貴重な情報を発見しました。医学においては、「雷恐怖症」という診断名が存在していました。
「恐怖症(きょうふしょう)」とは、特定のある一つのものに対して心理学的および生理学的に異常な拒絶反応を起こす症状で、これは精神疾患の一種であり「恐怖神経症」とも言われているそうです。
恐怖症は国際疾患分類によると、不安障碍に分類され以下の種類に細 分されているようです。
①広場恐怖 (症) ②社会恐怖(症) ③特定の個別的恐怖(症) ④その他の恐怖症性不安障害
このうち、主に雷や地震などの自然災害や、蛇や蜂など特定の一種類のものに対しての恐怖を感じる人達は、③特定の個別的恐怖(症) に該当するそうです。
そして恐怖症患者の多くは、日常生活において恐怖の対象を避けるためあらゆる工夫をしてすごしているものの、恐怖の対象に遭遇したとき、恐怖心や不安感の程度によって不快感やめまい、吐き気といった症状を催し、極端な場合にはパニック発作をきたすこともあるのだそうです。
まさに三男君そのものですね~(笑)
雷恐怖症というものが、医学的に立証されている症例だということが分かってなんとなくホッとはしましたが・・・もしかするとこれもまた、感受性が強いことによる彼の敏感さが大きく影響してしまっているのかもしれないですね。
三男君、今後も様々な葛藤や苦労をすることが多々あるかもしれないけど、自分の持つ個性に臆することなく、自信を持って前向きにその素質を発揮していけるような子に育っていってほしいなと思っています。
持って生まれた自分の「個性」とは、生涯を共にしていく自分の大切な一部であり、その個性は三男君だけにしかない、かけがえのない素晴らしい宝物なのだから (^-^)
(平成26年1月26日 記)